上田眼科(福岡県太宰府市)


「待たせない」をモットーに介護の視点も生かした診療を展開

掲載年月:2016年12月

 上田朗裕 院長

「今後、同ビル内に診療所、デイサービスなどを併設し、受診環境を整える計画です」

上田眼科

福岡県太宰府市通古賀3-11-21 松崎ビル1F
TEL:092-400-6970
URL:http://www.uedaganka.jp/
診療内容:眼科

POINT!

涙道手術など他院が手がけていない治療を実施

保険点数は低いが、高齢者の多くが悩んでいる涙目や目やに。涙道手術で快適になることで口コミでの患者数が増加している。

「待たせない」「早く診察する」工夫を凝らす

開業時から電子カルテを導入。診察は子どもの患者優先、キッズルームの設置など、待たせず快適な受診環境を整備。

介護サービスへの進出で往診の場を拡大

有料老人ホーム、デイサービスなどを展開し、高齢患者を拡大。院長自身にも介護の視点が生まれ、治療に生かしている。

「待たせない」診療を実践するスタッフ

開業時から電子カルテを導入し、受付から会計までを効率化

子ども連れの患者に好評のキッズルーム

車いすでも受診しやすいようフロア全体をバリアフリーに

バリアフリーで受診しやすい環境を整備

上田眼科は2008年、福岡県太宰府市の西鉄都府楼前駅近くに開業した。福岡市中心部から電車で約30分と交通の便がよく、1日当たり約60人程度の患者が受診している。

大学時代から長年東海地方で暮らしていた上田朗裕院長だが、長男ということもあり、36歳のときに父親が暮らす地元へ帰郷することを決めた。

「もともとは福岡市と北九州市の真ん中あたりにある宗像市の出身ですが、開業にあたって土地を探していたところ、大宰府市は人口6万人に対し眼科が1カ所しかないことを知りました。一般的に眼科は、2万人に1施設という割合ですから、太宰府市での開業は集患面で理に適っている。また、駅に近いビルの1階に入居できたことも有利でした」と、開業の経緯を振り返る。

乳児から高齢者まで、オールマイティーに診察し、患者が同院に入って30分以内に検査、診察が終了することを目標にしている。「待たせない」「早く診察する」「より専門性が必要な場合は大学病院等に紹介する」がモットーだ。院内はすべてバリアフリー構造で、高齢者や車いす利用者が移動しやすいように配慮。また、開業時から電子カルテを導入しており、受付から会計まで、スムーズに進むようにしている。

「子どもは早く診察したほうがいい場合が多いため、診察の順番は子ども優先にしています。また、子どもを連れた親が受診しやすいよう、キッズルームを設置しました。普通の待合室にいると、子どもがほかの患者さんに迷惑をかけないか心配ですが、キッズルームであればほかの患者さんと接触しないため、親も安心できるようです。そのため、子どもを連れた患者さんから『受診しやすい』と好評です」と、上田院長はほほ笑む。

介護施設運営を機に生活の視点を治療に反映

同院は、高齢患者が多いことから、7年前より涙道手術を実施している。広く告知はしていないが、福岡県内で涙道手術を実施する診療所が少ないこともあり、福岡市内などからの紹介患者も多い。

また、眼瞼下垂、白内障の日帰り手術にも取り組むなど、地域のニーズに応える診療を実践。加齢黄斑変性などは、大学病院や福岡市内の眼科専門病院に紹介している。

さらに上田院長は13年、有料老人ホームを開設し、介護事業にも進出している。開業時から介護施設への訪問診療を行っていたが、介護職と接するうち、介護事業経営にも興味をもつようになったという。「私も訪問診療を担当するほか、併設の訪問看護ステーションや近隣の病院と連携し、胃ろうや人工呼吸器使用など、医療必要度の高い方も受け入れています。『断らない』を徹底し、入居者に『いい人生だった』と思ってもらえる介護が目標です」と、語る。

また上田院長は、「高齢者の生活に触れることによって、介護の重要性に気づくことができた」とも話す。疾患を治療するだけでなく、患者の生活にどのような配慮が必要かという視点もできたと強調し、「介護保険の認定審査会に医師として参加しているが、目が見えづらいことへの支援が薄いと感じています」と指摘する。介護職員や家族を対象に目のケアなども指導し、高齢者が快適に生活できるよう支援している。

上田院長は「診療所とデイサービスなどの介護サービスを同じビル内で提供する計画も進行中です。地域のなかで、ワンストップで完結する医療や介護サービスを目指していきたいです」と抱負を語る。